NPO法人 日向ぼっこ

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廣瀬さゆり(日向ぼっこサロン代表)

 児童養護施設や自立援助ホームなどを退所した人が気軽に集まれる場所「日向ぼっこサロン」の代表の廣瀬さゆりさんにインタビューしました。

 わたしも母子生活支援施設と児童養護施設で生活していました。
 児童福祉法により養護施設には一八歳までしかいることができません。一八歳になり独り立ちし、一人で生きていかなくてはならないという状況に直面したとき、わたしは親からされたり言われたりしたことを、自分の自信のなさに結びつけて考えていきました。自分のことが大切に思えず、これから先何のために生きていくのだろうと思いつめました。
 一九歳のときは、フリーターをしていましたが、自分のことも人のことも好きになれず、そんな自分に自己嫌悪を感じていました。また自分のような人がでてこないようにしたいと思いました。
 それで何かできないかと思い、大学に進学し社会福祉学を学ぶことに決めたのです。 
 大学にはいっても、まわりには真剣に社会福祉を学ぼうという学生は少なく、教員のおこなう授業も、苦しい状態にある人たちがどのようにしたらその人たちが望むような状態になるかということを示すものではなく期待はずれでした。大学時代も苦しみの生活をすごしていました。
 そのようなとき出会ったのが、いまいっしょに日向ぼっこの活動をおこなっている冨塚さんです。わたしも人から頑張り屋と言われますが、自分以上に頑張っている冨塚さんに出会っていつも励まされます。
 冨塚さんがあまり語らなくてもわたしは富塚さんの苦しみや悲しみを感じることができますし、わたしが言わなくても彼女もわたしのことをわかってくれています。
 日向ぼっこサロンは、去年の四月に開設しました。
 わたしが富塚さんと出会い前向きになれたように、サロンで同じ境遇の人と出会い、安心感を得ることができるようになればと思います。
 悩みを気軽に話しあい、笑いあう時間をいっしょにすごし、元気を得て「また明日頑張ろう」という場所がサロンなのです。
 普段はみんなといっしょにごはんをつくって食べるようにしています。その他座談会やお餅つき、誕生日パーティーなど主体的に参加できるような催しを開催しています。
 私たちは親にはなれませんが、それぞれその人にとってよい人生がおくれるようにサポートできればと思います。
 受験や就職・恋愛や結婚・子育てなど生活の悩みや楽しみを家族のように分かち合い、元気を充電できる場にしたいです。

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