NPO法人 日向ぼっこ

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11月の勉強会を実施しました。〜家庭内で起きる暴力〜

新型コロナウィルス感染予防として、11月15日(日)の勉強会もオンラインで開催にしました。今回は海外にお住まいの方や弁護士、会社員などの方がご参加くださいました。「家庭内で起こる暴力」の中から児童虐待を選び、議論しました。

 はじめに、NHK大阪がかんさい特集ドラマとして放映した「やさしい花」(2011年10月)の動画を視聴しました。
*詳細はリンク先をご覧いただくか、動画をご覧いただければと思います。

 この映像を見た感想として「映像に出てきた親子と似たような親子が身近にいた。でも、この映像にあるように身近な人の関わりで救われた。それまで、親はとても孤独だったと思う。」「私たちに何ができるのか?親子には専門家が関わるぐらいしかできない。」「この映像の母親は良い母親になる気持ちがあったから救えた部分があったのではないか」「父親側がほとんど出てこないことも問題だと思う。」「虐待防止として近所の支え合いができればいいけれど、人間関係が希薄化した現代でそれができるのか」「動画の中で虐待した親が言った『気楽な学生になにがわかる』と言った発言から、自分に何ができるのか考えさせられた」「地域社会の貧困や当事者性の問題でもある」などの意見がでました。

 親に関するものとして「親の中には母親になる意識がない人もいて、そういう人にどういう関わりができるのかわからない。」「専門家としては、母親になる意識がない場合は割り切って介入しやすい。むしろ、母親になる意欲が強い人の方が想いがある分、介入がしづらかったりする。だからこそ、制度だけでは足りない部分を補う必要がある。」といった意見が聞かれました。

  一方、子どもに関しては「たくさんの人に関わってもらうのも負担になってしまう。たくさんの人ではなく、その人にあった人に関わってもらうのが良い。」、「ピンポイントでその人にあった人に出会えればいいが、簡単にはいかないと思う。だからこそ、多くの人に関わってもらうのが良いのではないか。」「教育が必要だと思う。義務教育として、社会構造であったり、性教育、家族・家庭の多様性であったりを学べることが必要。場合によっては、現実を伝える必要もあると思う。」、「子どもにも関わりたいと思える大人の存在を知ってもらうことじゃないか。」「子どもの理解では、性のことや、外国籍の理解が難しく、しかも、そういったことへの理解を社会がしていなかった場合、下手に授業でそれらを扱うと、それらの当事者が針の筵に座らせることになるのではないか。」「子どもや弱い人に対して、支援したがる人は露骨に優しく接するけれど、その優しさをウザがっている子もいる。」、「露骨な優しさよりも、自分の気持ちを受け止めてくれる存在が必要だと思う。」といった意見がでました。
そして虐待そのものではないが「今の子どもは、予期せぬことに対しての恐怖が強くなっているようだ。」「人間関係は予期せぬことの連続だから、人間関係の構築が困難になりますね。」「だから、一部分の自分だけを出すだけでいいオンラインやSNSの方が安心するんじゃないかな。」「人に対して安心感が感じられないってことですね。」といった意見や「虐待やDVの連鎖から抜け出せない状況というか、それが文化的になっていたり、男尊女卑の意識がまだまだ残っているというか、洗脳されている感じがあり、それらがいじめや虐待につながっているように感じている。」という意見から「女性の立場から見ても、男尊女卑を受け入れている節があると思う。」という意見が出ました。

 その他にも、当日参加できなかった方からの意見として、児童相談所が虐待をしてしまった親が持っているコミュニティと協力して親を支え虐待を防止していく「サインズ・オブ・セーフティ」という手法があることも意見としてでました。

 議論の最後に「児童虐待を防止するためには、大人も子どもも、虐待だけでなく、多様性といった観点を意識し、学ぶ姿勢から行動を変えていく。自分から知ろうとする機会が社会に増えれば良い。」、「虐待を受けている渦中の子どもに直接関わることができなくても、その周りの子どもに関わることができれば、何かしらの影響がでるのではないか。」という意見が聞かれました。

 勉強会後に参加していただいた方からいただいたアンケートでは、「家族を支えていくために何ができるか何が必要かを改めて考える機会になりました。」「私が知らない映像資料を見ることができ、大変勉強になった。様々な視点による意見を交わすことで勉強になった」とのお声もいただきました。

 2019年度、児童相談所に寄せられた虐待相談件数は約16万件となり、虐待死のケースは58ケースあり、65人の子どもが虐待によって命を落としています。厚生労働省では、毎年11月を「児童虐待防止推進月間」と定め、期間中に児童虐待防止のための広報・啓発活動など種々な取組を集中的に実施しています。
 少しでも多くの方に虐待を防ぐための方法を一緒に考えてもらえたらと思います。

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