NPO法人 日向ぼっこ

勉強会

12月の勉強会を実施しました。〜地域で生きる〜

 12月20日(日)、「地域で生きる」をテーマにした勉強会をオンラインで開催しました。今回は、学生や会社員、弁護士の方がご参加くださり、「若者が地域で生きる」に焦点を絞って議論しました。

 まず初めに、ご参加いただいた方々の地域で生きてきた経験談を語っていただきました。「地域の子ども会、運動会には参加していた。でも、中学生、高校生になると自然と離れていった。」「地域とのつながりは感じていないけれど、学校や保育園等に行っている時間帯に子ども一人で地域を歩いていたからなのか、自分から話しかけていたからなのか、地域の人が気にかけて声をかけてくれたことがある。」「つながりの濃い地方の田舎であったが、外国人だったからなのか、地域の情報が入ってこず、繋がれていなかった。」といった意見が聞かれました。

 生まれた地域から新しい地域に移住してきた場合の地域との繋がり方として「妻が赤ちゃんサークルのコミュニティを作ったことで、地域と繋がれた」「新しい場所で地域と繋がるのは難しい。でも、その地域と繋がりのある媒介して、地域のイベントに参加したことでその地域と繋がれた。」といった声が聞かれました。

また、若者が地域とつながれなかったり、生まれて地域を離れようと考えていることの理由として「知っている人がいるコミュニティの中で生きることがしんどい。誰にどの程度の挨拶をしなきゃいけないとかを気にすることがめんどくさい。」「今の若者でも、人との関係性を求めているところがある。しかし、その地域を作っている人たちが多様性を認められないことから、若者はその凝り固まった価値観で傷付いたり、嫌な思いをすることで、地域に繋がろうしないのではないか。」といった声が決まれた。

さらに、地域を「地縁、血縁」が中心の物理的地域ではなく、バーチャルなインターネット・コミュニティーについて意見を尋ねたところ「地域という概念の中に、インターネット・コミュニティーを含める必要があると思う。」「インターネット・コミュニティーには多くの若者が参加しているが、座間の事件や自殺サイト等のイメージからインターネット・コミュニティーを良しとしない風潮がある。しかし、自殺サイトのコミュニティが自殺予防につながっているという結果もあるため、必ずしも悪いものではない。」「ネットだけでなく、人との関係はリテラシーの問題が大きい。」といった意見が聞かれました。

 今回の勉強会に日程の都合で参加できなかった高校生の方から「地方で自分らしく生きる人を増やしたいという思いで活動をしているが、地方で生活するとしたら、どんなことに期待と不安を持ちますか?」といった質問を頂いていたので、参加者に投げかけたところ、期待としては「子どもが伸び伸び過ごせる。」「喘息持ちなので、空気が綺麗なところだと過ごしやすい」「期待をしていない。」といった意見が聞かれ、不安については「プライベートがない、地域の人と一定の距離を保つのが難しい。」といった声が聞かれました。

ここで、厚生労働省が発表している「地域共生社会の実現に向けて」のサイトを見ながら、国の目的や国の考える地域共生の必要性について話を広げたところ「社会保障費のバランス的に、公助だけで人を支えるのは難しいから。予算削減的な部分が大きい」「福祉人材がいないから」といった意見があげられました。

 最後に若者が地域で生きるためには何をどうするのが良いのかについて話し合った結果「特定の目的がはっきりしているコミュニティ、課題縁には参加しやすくなる傾向がある。」「若者と地域をつなげる媒介者を発見、または育てる必要がある。しかし、それをどう発見し、育てるのかが課題だ。」「地域とつながるニーズが見えにくいため、『見える化』する必要があるのではないか。」「ニーズを発見できる人とアクションを起こす人とがタッグを組んで地域を盛り上げていくのはどうか。」「地域と人をつなぐ地域のニーズとアクションを起こしやすい企業等をつなぎ地域を生かす役割があるのは社会福祉士なのではないか。それが機能していないこと、福祉の枠に収まりがちなことが問題ではないか」「地域が多面的な視点で考え、寛容な姿勢で他者を受け入れられるようになる。」といった意見が出されました。

「地域で生きる」ということはとても奥が深く、自然が豊かで楽しいとか健康にいいといったことだけではなく、人間関係の在り方や経済問題などとも密接に関連する難しい問題だと感じましたので、時間を設けてこの問題についてまた話し合いたいと思います。

 次回の勉強会は下記の通り行う予定です。

■日時 2月21日(日)15時〜17時

■テーマ 断捨離を通しての生き方

■会場 ZOOM内

 皆様のご参加、心よりお待ちしております。

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