NPO法人 日向ぼっこ

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学習会「自立援助ホームの若者たちのチャレンジ」(首都圏若者サポートネットワーク)に参加しました

みなさま

 6月17日(金)14時~16時にZoomにて首都圏若者サポートネットワークの学習会に参加しました。今回のテーマは「自立援助ホームの若者たちのチャレンジ」でした。

  まずお1人目に、自立援助ホーム湘南つばさの家・ホーム長の前川礼彦さんより、社会的養護についてのガイダンスと、自立援助ホームの若者への就労支援の課題についてお話頂きました。お話の中では、虐待の通報件数(相談件数)が上がっているが、これは虐待件数自体ではなく、関心が高まっているということだと述べる一方で、児童相談所になかなか繋がらないという事も指摘されました。

 その他、つばさの家の実例を共有頂きながら、自立は社会に出てからが本番であり、退去後も繋がり続けることが大事だとお話されました。就労の実情として、18歳未満が働ける職場は限られていることや、働く意欲に課題があることも述べられ、社会が教育を与えていくことの重要性と、職場に居場所ができることが「生きる意欲」を育むことになるというお言葉で締めくくられました。

  次に、一般社団法人コンパスナビの高橋さん・星野さんより、就労体験を通してみえる若者の成長についてお話頂きました。まず、就労体験から得手不得手の理解をしてもらえるというメリットの裏に、採用前提ではない分福祉的な意味が強く、企業にも大きな負担がある事を述べられました。体験実施のプロセスとしては、就職情報誌から本人に選んでもらい、複数あれば全て実施、終了後には体験感想文を書いてもらうというものでした。

 その後実例も紹介されながら、結果を成功もしくは失敗と捉えず、消去法があっても良いと考えていること、必要以上に介入せず、本人と会社でなるべく直接解決してもらうという事を大事にしているとお話されました。最後には、「職親」という視点を持ってもらう事の必要性も指摘されました。

  その他には、首都圏若者サポートネットワークの小田川さんより、体験就労プログラムの簡単な紹介がありました。

 内容としては、まず「5日頑張ってみよう」というスタンスから始め、長時間・連勤の難しさを考慮しながら実施されていて、終了後は簡単な日誌提出の上で本人と企業側に補助費を出すというものでした。ニーズの分布として、非正規雇用層が7割超となっているようで、アルバイトに行きつくまでのトライアルの必要性についてもお話されました。

  その後の質疑応答では、くらしサポート・ウィズの中根さんより、5日間の体験プログラムが2~3施設の組み合わせでも良いこと、協同組合の中で事業体として一緒にやることの重要性と、理解が広がればというお考えもお話頂きました。生活クラブ共済連の後藤さんは、受け入れる側の学びもあることや、若者の人生について考え、社会を知る必要があると述べられました。また、倉庫などのシステマティックな仕事の定着率が高いというお話が複数出ました。

 学習会の最後には、首都圏若者サポートネットワーク事務局長である池本さんより、アフターケア事業が法律に規定され制度化されたことや、その対象者として里親や施設に措置・委託された経験のある者のみならず、在宅で自立支援が必要な状況にある者が含まれることになったこと、そして18歳を過ぎても必要に応じて、施設や里親のもとで継続して支援を受けることができることについて改めて共有頂きました。

 今回の学習会もとても多くのことを学ぶ機会をいただきました。

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