7月の勉強会の様子
みなさま
7月10日(日)の15時~17時で勉強会を開催しました。今月の勉強会テーマは「マイノリティーとは」でした。大学生の方や乳児院勤務の方、会社員の方、児童養護施設勤務の方など6名の方が参加してくれました。
初めに、HBC北海道放送の「心の生~性別は誰が決めるか」を視聴し、その後日向ぼっこスタッフより、「マイノリティーとは」というテーマに基づいて作成したPowerPoint資料を共有させて頂きました。
「心の生~性別は誰が決めるか」は、トランスジェンダーの方など4人の方たちへの取材を基に、改めて「性別」とは何か、「自分らしく生きられる」とはどういうことかにフォーカスするという内容でした。
PowerPoint資料では、「マイノリティー」とは誰かという事について取り上げ、カテゴライズが不可欠な社会において、常に私たちは「マイノリティー」であり「マジョリティー」でもあると述べさせて頂きました。
その後、映像視聴を踏まえ、皆様がお感じになったことを伺いました。
皆様からは、
・昔から「マイノリティー」の方たちはいる。性別変更における手術要件について、最高裁の判決で言及があった事が今後の方向性につながると思う。
・多様性が謳われる社会で、制度が追いついていない印象。辛辣なコメントはあるけど、思想の自由もあるので、そういったものはなくならない。ただ本人にそれを伝えてしまうことは悪いと思う。他人の基本的人権を害さない限り、性的自由は保障されるべきということに賛成。
・個人的希望と社会制度の間の問題はずっとある。取り上げるか否かの問題。
・SNSでもよく見かけるテーマだが、自分は考えとして決まったものはない。
・自己主張できずに悶々とする人や、「女性とは」、「男性とは」などと刷り込まれる事に違和感を持つ人がいる。
・追いつめられないように自分らしさを貫ける場所が必要。近くにいる人が受け入れるかどうか。
・すべての人が同意することはない。色んなことが目に見えてきている中で丁寧にやっていく必要がある。
・性的マイノリティーを認めない人もいるが、認めた時には例えば銭湯やトイレの使い方をどうするのかといった難しい問題が生ずることも考える必要がある。
・「マイノリティー」であることが中途半端と言われることもあるが、それが強みになる事もある。そう捉えられる事が救いになるかもしれない。
・「~らしさ」を押し付けられがちな現状が変われば。
などの声が上がりました。
また、「マイノリティー」と聞いて考える事については、
・味方がいない時に「マイノリティー」を感じる。転勤した際に場所が持つ文化を感じた時など。もし「マイノリティー」ということが「希少性」というふうにポジティブに捉えられるなら気にならないかもしれない。
・偏見、差別が見え隠れするところに「マイノリティー」を認識する。そういったものが無くなれば「マイノリティー」という言葉を使わなくなるかも。
・「マイノリティー」が強みと思える人もいる。感じ方は状況によるもので、何によって変われるか考える。孤立しない事が大事。
・自分は輪に入るのが苦手だったが、人と違って良いという感覚がある。
・仕事柄関わる子どもたちが謎の偏見を持たれる事がある。オープンにできると楽。
・「マイノリティー」という言葉が使われる時は、元々ネガティブな意味をまとっているイメージ。カテゴリーがある事によって権力を持った人がいる。
・排除や差別とセットで考える。単純に「数」の問題ではなく、力関係がその背後にある。「マイノリティー」という言葉は、力のある人が力のない人に対して使う言葉のようである。例えば「大金持ち」は数的には少数であるが「マイノリティー」とは言わない。マジョリティーの怖さも感じる。
などのご意見が出ました。
最後に、皆様に意見交換を通じてのご感想等を伺ったところ、
・どうしても偏見などを言葉にする人がいるし、自分も知らずにしてしまい、後でどうしたらいいかと反省することがあるので、もっと議論が深まれば。
・誹謗中傷は匿名性の中で生まれるので、もしかしたらそれを言っているのが隣の人かもしれない。本人は正義感を持っていることもあるし、嫉妬もあるかもしれない。
・差別は無意識にも起こる。守ろうとする心理が働いている。
・未知のものを排除しようとするのは生存本能によるものかもしれないのでなくならない。味方や同調する人がいなくて「マイノリティー」を感じた経験がある。
などとお話頂きました。
後日回答して頂いたアンケートでは、
・マイノリティ(勉強会内の動画では特にジェンダー)について他の人と議論を交わすのが初めてであり、自分が考える以外にもたくさんのマイノリティの例があることを知った。孤独になったときに一番マイノリティを感じるという考え方が印象的であった。
・参加された皆様のご意見をきくことができたのでよかった。もう少し皆様のお話しをきくことができればもっと良かった。
・社会的マイノリティについて改めて考えることができた。
・多様性を受け入れられるようになるには、まず自分を知ることが大切と思いました。人と関わり続けていく中で、人を理解する助けとなる想像力を高めることや他人の経験を聴く貴重な機会となりました。
などのコメントを頂きました。
今回皆様からお話を伺う中で、そもそも「マイノリティー」と言及するに至る、様々なプロセスについて考える事ができました。誰しもがマイノリティーでありマジョリティーでもある社会の中で、ただ個人としての自分を受け入れ、受け入れてもらえる場所が必要なのではないかと考えます。
次回の勉強会は9月11日(日)15時~17時、テーマは「社会における高等教育のあり方」です。(8月はお休みとさせて頂きます。)
みなさまのご参加をお待ちしております。