NPO法人 日向ぼっこ

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10月の勉強会の様子

みなさま

 10月9日(日)の15時~17時で勉強会を開催しました。今月の勉強会テーマは「資本主義を生きる」でした。福祉関係のお仕事をされている方や、会社員の方など4名の方が参加してくれました。

 今回は、日向ぼっこのスタッフがファシリテーターを担当し、NHKスペシャル「中流危機を越えて」の内容を取り上げながら進めました。この番組では、所得中間層の収入減少や企業の人材開発、事業投資など、様々な側面から社会経済の問題に触れていました。

 まずは、番組の内容を踏まえ、皆様がお感じになったことを伺いました。

 皆様からは、

 ・昔は景気が良く、こうなると思っていなかった。生活水準を保つために長時間労働や共働きをする。労働人口が減ってきていて、年金の問題もある。リスキリングがないとついていけないので、学び直しで巻き返せればと思う。

 ・平成生まれで、物心がついた時には不況だった。前の世代より希望が少ないとは感じる。あるお金でどう生きるか考える。

 ・知る機会が大事。ここまで考えて社会人にはなっていない。自分の周りで考えると、選択肢の無い子どももいるので、次元が違う話で新鮮だった。

 ・「稼ぐために生きる」という風に世の中がなっているようだが、負の側面を変えるために、新しい時代が必要。フランス革命やウォール街での暴動などもそういったことの兆候だった。

 ・自分の周りには、まだ「生きるために稼ぐ」という人の方がたくさんいるように思う。

 ・自分が持つもので、何をお金に変えるか。スキルアップも必要。

 ・番組の内容で、不労所得で生きたい人が11%もいることに驚いた。自分がかかわる子どもたちがどういう人材になるかという視点で見た。

 ・バブルと不況のアップダウンを経験してくるなかで、世の中はコロコロ変わることを実感したので、世の中に自分を合わせないことに決めた。自分が合う仕事を見つけ、会社に頼って生きてこなかった。

 などのお話をいただきました。

 次に、「資本主義を生きるための力」についてのお考えを伺いました。

 皆様からは、

 ・生きるために稼ごうと学校をやめた子たちがいる。後から高卒の資格を取っておきたかったと聞くことがあるが、費用も時間もない。30,40代になってもやり直せる制度があれば。

 ・自己責任になってしまっていることが問題。自分で稼いで生きていくというスタートラインに立てない人がいる。

 ・経験上、自分を責める子が多い印象。自己責任という言葉が引っかかる。

 ・非正規雇用はスキルアップできないという問題が多い。少子化以上に人権の問題。

 ・個人が頑張って社会についていく形になり、リスクが労働者の方に移っている。稼げる人と稼げない人の二極化。一方で、お金があればそれでいいのか。孤独や疎外感の問題もある。

 ・自由と引き換えに責任がついて回る。施設にいたころはお金がなかったが、そうならないためにどうすればいいかを子どものころから考えていたのが良かったかもしれない。自由を得たと思えるが、居場所はないなと思う。

 などのご意見をいただきました。

 次に、「ライフ&ワークバランス」についてどう思うかというご意見が出ました。

 皆様からは、以下のようにお話いただきました。

 ・仕事だけに没頭すると心の余裕が無くなるけど、仕事量が多いので、「ライフ&ワークバランス」についてつくづく考える。

 ・「負け組」という言葉が無くなってきた。自分はがっつり仕事したいタイプ。何でふんばれるかが問題。

 ・バランスは人それぞれであると思う。

 ・社会全体で自由に選んでいける風潮が大事。こうすればよかったと思うようなことに早く気づいた方がいいと思う。

 ・最近はフレックスタイムが導入されている。自分は高卒で仕事しか選択肢が無かった。若い時にできなかったことがあるけど、今はそれなりに生きている。

 また、お話の中で「ベーシックインカム」という話題も出たので、皆様にご意見をお聞きしてみました。

 ご意見としては、

 ・ベーシックインカムのシステムを実験的にやっているところもあり、うまくいっているのをテレビでやっていたが、いいことだけ言っているかも。

 ・ベーシックインカム制度ではないが、国民に公的住宅を保障したり、所得の一定額を強制預金させたりしている国もある。

 ・ベーシックインカム制度を取ると、お金の価値について理解しなくなるのではないかが気になる。日本では住宅は余っているといわれてるけど、住環境はあまり良くない。

 ・国民全体の労働意欲が下がる可能性もある。

 などが出ました。

 その他のご意見としては、

 ・資本主義と共産主義で東西に分けて、自分が住むところを選べるとかになればいいと思う。

 ・どこを救うかという問題。選択肢があることが大事。自己責任論で済まされない。変化する時代の中で、身近な生活の中の資本主義を確認しながら、問題を考えることが大事。

 などが挙がりました。                            

 後日頂いたアンケートでは、

 ・難しいテーマではありましたが、新しく知ることもあり、また、みなさんのご意見から考える機会をいただきました。

 ・資本主義の中で生き抜くために、自分の強みを活かし、希少価値が出る分野にて働いてきました。それは競争社会で生き抜くためと捉えています。一方で昨今のSDGsでは「誰一人取り残さない」を標語として掲げており、社会の分断を感じています。とても難しい問題を孕んでいると感じました。とても有意義な時間をありがとうございました!

 ・今ないがしろにされている人の中にも次の時代では大きく評価される人もいると感じるお話でした。

 ・普段話し合う機会がないので皆様の話を聴くことができて良かった。

 などの回答をいただきました。

 

 今回皆様からお話を伺う中で、「資本主義」という大きなテーマを、身近な個々の生活に落とし込み、様々な生き方について考える機会になったと感じております。

 次回の勉強会は11月13日(日)15時~17時、テーマは「自己肯定感のあり方」です。

 みなさまのご参加をお待ちしております。  

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