NPO法人 日向ぼっこ

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3月の勉強会の様子

みなさま

 3月12日(日)の15時~17時で勉強会を開催しました。テーマは「2022年度のまとめ」で、福祉関係のお仕事をされている方や弁護士の方など、3名の方が参加してくれました。

 「教育」について深めたいというご意見を事前にいただいた為、BS-TBSの番組「天才が育つ教室」の内容の一部を視聴しました。この番組はアメリカと日本の「21世紀型の教育」に焦点をあてた内容で、日本とアメリカの各1校を紹介していました。

 まずは、番組のご感想を伺ったところ、
・この教育にいくらかかるんだろうと思った。経済的な不平等は大きい。
・大学で同じような内容を教えたことがあるが、中高生がよく議論できていてショックを受けた。9月の勉強会でも学校や教員といった「受け取る側」の質についての意見が出ていたがその通りだと感じた。
・選択肢が色々あると言っても子どもには「色々」が難しいし、日本の教育は○×式が根付いている。
・実際に経験したことのない学生が社会課題を考えることの限界もある。現場での体験や、現実とのすり合わせが必要。
・北欧の教育を見て魅力を感じたことがある。日本で上手くいかないのがどうしてか考えるが、そもそもの教育の積み上げや国の予算の問題。
・日本はなるべく言わないで調和を取る風潮がある。研修や講演会で答えのないものを最後に提示することが多いが、不評だと感じる。
・授業では学生から答えを教えてほしいと言われる。
・ディベートの授業を受けたことがあるが、生徒に対する教員のリスペクトがあるからこそやれると感じた。
・答えのないものを扱うことで思考の幅は広がると思う。
・人を作るということについて考えた。新しい教育を求めて海外に出る人もいる。
・検証して、比較的みんなが享受できる形になればと思う。
・若い頃に経験するのか、大人になって学び直すのかなど、色々な選択肢があると良いと思う。
・公立で全部やるのは難しいので、モデルケースを私立で作って、公立へと広めるのがいいと思う。
・小学校で英語を教えた経験があるが、英語の導入に現場の教員も困っていたように、学校側の体制も大きい。
・学校運営には沢山の要素がある。分業ができれば。
などのお声をいただきました。

 引き続き、教育について幅広く伺ったところ、
・先々をイメージしづらい社会になっているのかなと思う。子どもも大人も生きづらいという話を職場でしていた。大学になんで入ったのか、今後どうなるのか、卒業する意味はあるのかと悩む方もいる。モデルとなる大人がいなくて、どうサポートするか考える。
・ある中学生に夢を聞いたら、「夢とかじゃなくて、会社員になれるか悩んでいる」と言われてショックだった。
・番組内でテーマを与えられて取り組んでいたように、具体的なイメージや希望を持ってもらえると良いと思う。
・18歳成人となったが、まず今日を生きる大変さがあると感じる。養護施設だからなのか、一般的な問題なのか。
・年金や大人の不祥事など、信用できない社会になっているのかも。
・社会学部でも簿記の授業を行うなど就職を視野に入れたものがあり、専門学校的な要素が強くなっていると感じる。
・昔は経験値が積み重なっていくシステムだったが、今の時代に経験が活きるのかについて考える。年功序列もそう。新しいテクノロジーが増えているが、経験を応用する力があれば適応できると思う。
・そもそもいつの時代も先は見えない。戦後の平和な時代だからこそ不安になるのかも。あまり悲観しすぎなくていい気もする。
・高度経済成長期は前向きな時代だったが、みんなが良かったわけではない。メディアを含めた洗脳もあるのでは。
・古い物の価値が無くなってきているという話もあったが、人文系の科目が減っていると感じる。
・老人ホームにボランティアに行く子に付き添ったことがある。子どもは先のことばかり言われて不安になるが、「明日生きているかわからない」、「今日をいかに充実させるか」という言葉が本人の良い経験になったようだ。
・今を生きる、楽しむということも大事だが、支援を受けて進学できた子が、金銭的余裕がありすぎて遊びに走ってしまったことがある。自分のお金でないのにそうなってしまうのはどうかなと思った。
・制度が変わって社会的養護へのお金が出やすくなってきている。お金に関心が向きやすいが、その先で本人にとってどう活きるのか考える。そこに疑問を投げかける構造があればと思う。
・考えて向き合うことに抵抗のある方が多いと感じる。
・気づいてくれるまでの過程なのかなと思うが、伝え続けることも大事。
などのご意見をいただきました。
 
 後日いただいたアンケートでは、
・VTR中、授業での取り組み過程に「課題発見」がありましたが、そもそも、発見するその力はどのように育まれていくのか。私自身、色々なコトに問題意識を持つことが難しいので、個人的に興味が湧きました。
・皆さんのいろんな意見が聞けたことが良かった。
・久々の参加でお話できてよかった。
などのご回答をいただきました。

 教育の問題には多くの方が関心があると同時に、大変難しい問題であることを改めて感じました。
 今年度も沢山の方にご参加いただき、改めて感謝申し上げます。4月以降の勉強会については、後日お知らせさせていただく予定です。
 来年度も皆様のご参加を心よりお待ちしております。

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