3月の勉強会の様子
みなさま
3月16日(日)15時~17時に日向ぼっこ勉強会を開催しました。テーマは「若者と労働」でした。
話題提供してくださったのは、普段から日向ぼっこがお世話になっている弁護士さんでした。パワーポイントで作成してくださった資料を皆で見ながら、「1 若者の労働に対する意識」「2 若者の働き方の変化」「3 若者の働き方の問題点・課題」「4 若者の労働トラブルへの向き合い方」の順にお話ししていただきました。
複数の統計資料から、若者の労働観は安定志向や、余暇や趣味、家族との時間を重視する傾向が強まっていることが見受けられること、その中で、労働が人生の中で相対化されてきたこと、背景として、価値観の多様化、社会構造・労働環境の変化、ブラックな労働環境、経済の停滞、賃金低下、「非正規」の増加等があり、若者の中に、「働いても報われない」「自己実現ができない」「仕事以外に生きがいを見出すしかない」といった意識変化が生じているのではないか、という分析は、とても興味深いものでした。また、「デロゲーション」というあまり聞きなれない用語についても教えていただき、「雇用」ではない働き方や「労働」と「仕事」の違いなどについて皆で考える機会にもなりました。
1時間程、話題提供していただいた後、質疑や意見等を交換しました。今回は、普段にまして活発な意見交換ができました。いくつかご紹介します。
〇「仕事」と「労働」は、どう違うのだろうか。
〇 労働環境や上司の対応等について、「これは不公平なんじゃないの?」という感覚がないと、自分が置かれている状況を疑問に感じることもできないのではないか。
〇「公平感」を持てている人と持てない人がいるように思う。「公平感」を持てるかどうかが、相談できるかどうかにももつながる。
〇労働環境の責任を社会に求める方法もあるが、そうではなく、自分がその働き方を選んでいる、という捉え方もあるのではないか。
〇仕事に関する知識をつけていくことで嫌な仕事から解放されたり、不安が解決したりしていくことがある。
〇労働に関する知識は、学校である程度学必要があるように思う。労働と社会保障は両輪であり、セーフティネットがあるから安心して働ける。
〇労働環境に問題があったとしても、誰かに相談するまでのハードルが高い。
〇相談するまでには、知識の壁、行動の壁があるのではないか。
〇「アルバイトだから仕方がない」と言われると、本当は間違っていたとしても、言われた本人もそうだと思いこんでしまうことがある。働き方によって、不公平感が覆われてしまう。
また、後日、皆様から次のような感想をいただきました。
〇講師のお話から知識を得、それを踏まえた講師・参加者の質疑から多くを学ぶ、理想的な勉強会だった。特に、相談や支援につながること自体の難しさはよく耳にし、それはなぜか、どうしたらよいかも散々考えさせられているところだが、その共有に留まらず、質疑からお話が派生していく中で、感覚的にそれに気づくこと(の困難さ)、その感覚は日ごろから培われるもので、幼いころからの教育が大事、やはり人権、という解に至った点は、目から鱗が落ちる思いでした・・ありがとうございました。
〇若者の労働について現状と課題について知ることができ、社会課題の解決策を考える上での土台が広がりました。特に、当事者がそもそも問題意識を持てなかったり、諦めを感じているという点を知れたのは非常に興味深かったです。また他の方の様々な経験やそれに応じた考えを知ることができたので勉強になり、意見を聞けたということそれ自体がとても有益でした。
2024年度は、計10回の日向ぼっこ勉強会を開催することができました。ご参加くださった皆様、本当にありがとうございました。皆様にとっても学びの多い時間となっていれば幸いです。
来年度も、概ね月に1回(原則第2日曜日15~17時)のペースで勉強会を開催する予定です。年間を通した各月のテーマは、4月13日(日)15時~17時に話し合って決めたいと考えています。
勉強会のテーマや話題提供してくださる方を募集しております。メールでも結構ですので、「このテーマについて、皆で話し合いたい。」、「このことについてなら話題提供できるかも」というご提案がありましたら、ぜひお知らせください。
<次回の日向ぼっこ勉強会>
日 時:4月13日(日)15~17時
やること:2025年度日向ぼっこ勉強会のテーマ決め
勉強会は、オンライン(Zoom)で行います(当日にZoomのURLをお送りします)。参加をご希望の方は、下記のどちらかの方法にてご連絡ください。
■お問い合わせフォーム:https://hinatabokko2006.com/contact2/
■Mail:info@hinatabokko2006.com
初めて日向ぼっこをご利用される方は、事前面談が必要です。
たくさんの皆様のご参加をお待ちしています。
