第12回子どもの貧困対策情報交換会 6/20開催
6月20日(土)に「なくそう!子どもの貧困」全国ネットワーク主催「コロナ一斉休校・緊急事態宣言下とその後の子どもたち~一人ひとりの子どもへの支援を考える~」の情報交換会をオンラインで参加させていただきました。
新型コロナウイルス感染拡大防止の為、子どもたちは約3ヶ月の間、家庭の中で過ごさざるをえなくなりました。誰もが予測できず、経験したことのない事態が起こっており、雇用や、家計の急激な変化により経済的困窮に陥るご家庭や虐待が起こる可能性が高まるなど、子どもたちは、どのような困難、困窮に直面しているのか、またどのような支援が求められているのか、3名の方のご報告をお聞きしました。
1. NPO法人沖縄学童・保育支援センターの二宮千賀子さんの報告「沖縄の子ども・保護者に対する調査結果」
調査を始めたきっかけとして、コロナで子ども達や保護者の皆さんが何に困っているのか見えにくいということから、インターネットを使ってアンケート調査を行うこととし、子どもと保護者で質問内容を変えて、実施していました。
まず子どもの現状として、平日、昼間の過ごし方ではほとんど一人で過ごしていると、兄弟姉妹など子どもだけで過ごす割合が3割となっている。また小中学生の子どもたちはTVやDVDを見て過ごすことが多くなり、中高校生ではSNS等が上位に上がっており、どちらとも利用が増えていると感じました。また、子どもたちが困っている事として、学校が休校で、ほとんど家で過ごしていることから、寝る時間起きる時間が遅くなった、友人と会えないのが辛い、勉強が遅れている、等があげられていました。
次に、保護者からの質問の回答ではストレスや不安に感じている事に関して、ウイルスへの感染や自由に外出できないからストレスが溜まる事があげられていました。仕事への影響としては、高所得者は主に在宅勤務になり、収入の減りはあまり見られないが、低所得者は収入が減ったり、解雇や休業を強いられていたりと所得による、格差が広がりつつあると感じました。
二宮さんはアンケートの結果から子どもに対して、今後の見通しを持てるような道筋を示すことが大事ではないか、保護者に対しては、収入の保障や手当などの増額、光熱費の負担軽減等を求める支援が必要なのではいかとおっしゃっていました。
2.「子どもの居場所の限界と可能性」幸重忠考さん(NPO法人こどもソーシャルワークセンター理事長)
子どもたちの様子は紙芝居形式での報告でした。紙芝居には学校が休校になった後の子どもたちの様子が描かれており、3月の初めは子どもたちの様子には深刻な状況は特になく、4月以降からはいろんな姿が見られたそうです。外出ができないので結局家にいるしかなく、家ではTVをつけっぱなしにしたり、親が仕事で居ないため、勉強を見ることが出来ないなど、親も子どももストレスが溜まっており、福祉機関へ対応を求めるも、早急な対応は望めないといった問題が起こっているそうです。幸重さんは問題を解決するには、時間はかかるが、子どもの声を聴くことが大事であるとおっしゃっていました。
3.「『なにしろ生き延びて』ひとり親支援の現状」赤石千衣子さん(NPO法人しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長)
ひとり親世帯にアンケート調査を行っており、収入が減少したご家庭が43%もあり、一日二食や日々節約限界まで節約している等、回答が得られていたそうです。しんぐるまざあず・ふぉーらむさんではデーターを取りながら食料支援や相談支援を行っているそうですが、その間にも徐々に困窮していくご家庭が多くあるということで支援の難しさを感じました。また政府がコロナによる困窮者支援の緊急小口資金や住宅確保給付金などよかれと思って作っている対策が必要な方々に必ずしも届いておらず、情報を知らずにいる方々がいるということで、見えてきたのは政策をつかさどる中央政府と現場のギャップで、赤石さんは必要な情報の周知度の低さに驚いたとおっしゃっていました。
今回の情報交換会はオンラインで、普段の情報交換会とは違った形でしたが、とても有意義な情報交換会だと思いました。感染者が増加傾向にあり、生活等に困窮する方々がますます増えてきています。今後も様々な方々の声をお聴きし、様々な機関等と連携を取りながら活動をしていかなければならないと感じる情報交換会でした。