NPO法人 日向ぼっこ

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5月の勉強会の報告

みなさま
昨日5月の勉強会を開催しました。5月のテーマは「子どものためのアドボケイトを考える」で、弁護士の方、一般企業お勤めの方、児童養護施設職員、乳児院職員の皆さん、計3人の方がご参加くださいました。

  「アドボケイト」というのは、最近特に関心が高まり、皆さんもよく耳にする言葉ではないかと思います。Three Flagsさんの作成された「『知って欲しい』子どもアドボカシーを知ろう!」という動画を見てみんなで意見交換をしました。今回も活発な意見の交換ができました。以下、参加してくださいましたみな様から出てきた意見の一部をご紹介させていただきます。

1.アドボケイトそのものに関して

「アドボケイトということは子どもだけの問題ではないはず。」

「教科書的に習わなければいけないけれど、それをわざわざ議論しなければいけないことも疑問と感じる。」

「声を出せる人の声だけが出てくるのではないか。」

「アドボケイトよりもセルフアドボケイトをどう育むかが問題では。」

「代弁者との関係をどう作るのかが重要では。」

「アドボケーターは100%子どものためにやっている驕りはないか。」

「近しい関係だとマンネリ化してことが進まないことが多く、第三者を入れてマンネリ化を打開していく、それがアドボケイトなのでではないか。」

「自由意思を誘導ではない形で出せるようにするにはどうしたらいいのかを考えなければ、アドボカシーの意味がなくなる。」

「アドボケータ―を置けばいいということではなく、その人材育成が重要ではないか。」

2.現状との関係では

「本人の意思の代弁というが、本人は自分の意思と思っているが、他者からの情報にかなり影響を受けている中で、何をもってその人の意思と言えるのか。」

「これまでも地域の機関同士で連携してやってきたが、現場の差が激しいので、新しいものを作ってもその内容がニーズに合ってないと意味がない。」

「既存のシステムの中で、子どもにかかわる多くの方が、代弁したい/しているという気持ちを持っており、アドボケーターと言わずともすでに子どもの声の代弁者、少なくともそう思って活動しているのではないか。しかしそれがうまくいってないのが現状である。そうだとすると、新しいシステムを考える前に、なぜ現状がうまくいっていないのかを分析するのがより重要なのではないか。」

「アドボケイトしようとして奮闘し、現場で子どもにかかわっているここの人たちの声をどれだけ汲み取れているのか。とかく組織の「長」的な人の声だけが反映されている気がする。」

「一つの失敗からアドボケーターとわざわざ言っていないが、すでにアドボケイトをしている人が批判され、アドボケイターと呼ばれる人が評価されるのはどうなのだろうと思う。」

「独立型アドボカシーが無いから作ろうというが、独立性をどう作っていくのか。独立すれば関係性が遮断され、いい形のアドボカシーができない可能性も考慮に入れる必要があるのではないか。障害の枠ではチームでやることが重要となり、独立性は不要になっている。」

3.パワーバランスとの関係で

「措置内容を決定する際、本人の意思を後押しするために独立アドボカシーが必要なのではないか。」

「独立アドボカシーが入ることによってパワーバランスがどう変わるのか。変えられるだけのパワーを独立アドボケカシ―が持つとすると、それはよいことなんだろうか。」

「独立という言葉が一人歩きしているのではないか。相互理解、相互信頼、パワーバランスを整えることが必要と感じる。」

「パワーバランスが整っている他職種がかかわれる場こそが必要ではないか。」

4.自己責任との関係では

「障害者の自己決定に対して自己責任を押し付けているようなところが日本の社会にあり、責任を負う力のない人にとっては、アドボカシーは難しいのではないか。」

「自己選択と自己責任のバランスをどうとるのか。自分で決めたことをフォローできる体制が必要。」

5.その他

「子どもみんな声を聞いてほしいという発言をよく聞くが、みんなが自分の声を持っていて、それを聞いてほしいと思っているわけではないことを知っておくべき。言いたいけどそれを言語化できない子もいれば、言えない、言いたくない、きかれたくないという子もいる。そのことを忘れてしまうと、発言を強要してしまうことになる。発言を強要しないようにする配慮が必要と思う。」

「話を聞いてもらえる環境はいいと思うが、言いいたいけど言えない葛藤に気付いて関わってもらいたい。施設では不文律として自分の身を守るために言わないということもあるので、表面的なニーズだけでなく、隠れたニーズへのアプローチが必要だ」

「全体最適と部分最適をどう選択するのか。良い結果になっても悪い結果になっても、その後も繋がって過去を振り返れる関係性をつくれることがアドボケイトには必要ではないか。」

皆様からアンケートにいただいた声は以下の通りです。

「日頃からアドボカシーについて考えていたモヤモヤや違和感を整理する機会になりました。色々な立場の方が参加して互いに気兼ねなく意見を交わすことで特定の視点に偏りすぎることなくバランス良いディスカッションができたのもよかったと思います。」

「個人の意思を代わりに伝えることは難しいことが解った。カレーをなぜ選んだのかを突きつめるとコマーシャルに影響を受けたなど例にあげられた。ブルデューが問うたように何の気なしに選ぶのは知らず知らずのうちに今まで育った環境で決まるということを思い出した。限られた条件の中で選択肢を(組み合わせも含めて)より多く提示する。いつ、何をどのように選択して配列するかによって結果は幾通りにも異なる。どのような結果になっても、あの時は昔話に花が咲くような関係が続くことが望まれると思った。」

「私自身の理解が深まり、スッキリしました。勉強会に参加して、私の中では、アドボケイトという視点からやはり権利擁護という視点におさまった感じです。今まで行われていること、新しい取り組みもそれぞれの尊重があってより謙虚に深めていくことが大切だと思いました。完璧はなくても子どもを中心により良くあるように望み、結果を経過のなかで振り返られる繋がりが子どもにも一緒に取り組んだ人にも大切でより豊かに生きるパワーになると考える言葉を参加した方々の意見から感じました。貴重な機会をありがとうございました。」

ご参加くださいました皆様、ありがとうございました。次回6月は第3日曜日6月20日実施予定で、テーマは「自立と社会性」です。ぜひ多くの皆様にご参加いただき、意見交換ができればと思っておりますので、ご参加お待ちしております。

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