7月の勉強会を実施しました
7月18日(日)15時から17時に7月の勉強会を実施しました。7月のテーマは「教育と平等」でした。今回も難しいテーマでした。参加してくださったみなさまは、弁護士の方、新聞記者の方、乳児院職員の方、児童養護施設職員の方、一般の企業にお勤めの方などなどで、様々な違う立場からの意見を交換することができました。ご多忙の中、5人の方がご参加くださいました。また、ご参加いただいた皆さんのお住まいも、奄美大島、シンガポールといつものように多彩でした。
まず始めに、NHKクローズアップ現代プラスで放送された「外国人労働者の子どもたち〜受け入れ拡大のかげで〜」という番組を視聴しました。この番組の内容は、岐阜県可児市が同市に工場労働者として来日した外国人の方の子どもたちに向けて実施している取り組みについてでした。外国人の子どもには「義務教育」ということがないので、就学していないお子さんもたくさんいるようですが、可児市では来日したばかりの子どもたちへは就学前の日本語を中心としたサポートを、就学後はその他の学習も含めたサポートを実施しており、その中で子どもたちがどのように学校生活を送っているのか、そこにある大変さが描かれていました。
参加してくださった皆様からは、まず「移民」という視点から「この問題は移民の人権の問題としてとらえるべきではないか」「日本の移民政策はヨーロッパなどと違い、雇用先のある人だけを受け入れている。」「日本は少子化で、これから外国人労働者に頼らければならないことは避けられないのだから、移民の人に選ばれるような国になっていく必要がある。」といった意見が出ました。さらに番組の中でも出ていたように彼らを外国人としてではなく、「市民・住民」という視点から考えるという点からは「地域づくりとして、子どもたちも一緒に考えていく必要がある」「他人事ではないと思うことが必要」「この問題は市民教育、人権教育の問題としてとらえるべき」「地域に暮らす外国人の方はゲストから隣人として考えるべきで、そして教育の問題だけでなく、貧困など彼らが抱える総合的な問題としてとらえる必要がある」といった意見がでました。その他にも「企業が教育に力を入れる必要があるのではないか」「宗教や文化の違いに対して寄り添う姿勢が必要」「過疎地域の学校ならクラス人数がすくないため、より個別的に教育できるのではないか」「メディアはもっとこの問題を拡散すべき」というご意見もありました。
最近はコンビニなどで働く外国の方もいらっしゃるので、毎日の生活の中で外国の方に触れる機会は多いと思います。そうだとすると私たちは共に暮らす隣人として、彼らの問題を一緒に生きる仲間の問題ととらえ考えるべきだと思います。そして何事もそうですが、まず「知る」ことからだと思うので、ぜひ多くの方に関心を持っていただき、他人ごとではなく、自分たちが暮らす地域の問題として取り組んでいくことが期待されるのではないかと思いました。
今回いただいたアンケートは以下になります。
「毎回感じておりますが、参加者の方々のご意見を伺うことで、視野が広がり新鮮な思いと同時に学びを得ています。」
「今まで仕事をする上で、想像力が大切と思い機会があれば発信してきましたが、今回、改めて想像力の大切さを感じました。」
「社会で起きていること、世の中で起きていることを広く知り、自分のこととして考え、そして、何ができるのかできない無力さを受け止めつつ、地道な取り組みが大切と皆さんのお話を聞いて思いました。」
「話したいことが言えたし、いろいろな意見が聞けた」
「教育の問題についてはこれまで不登校や一時保護児、医療的ケア児の観点から考える機会が多かったが外国籍の子どもの観点で考える機会はあまりなかったので勉強になった」
「外国籍の子供の教育制度や自治体の取り組みについて、知らないことが多く勉強になりました。「外国籍だから、ではなく、市民として考える」という可児市長の言葉が印象的でした。そして今後ますます必須になってくる議題だと思いました。ただ、社会的養護の話も出てくるかと期待していた部分もあったので、次回は国籍を問わず社会的養護下にいる、もしくは家庭環境が芳しくない子どもの教育、さまざまな理由で教育が受けられなかった人を対象とした夜間中学などの学び直しについてもテーマに上げていただけたらと思います。」
「教育の格差をテーマに、”個人が生み出す教育格差・対策”についてPart2の機会を希望します。」
8月は勉強会はお休みですので、次回は9月19日になります。テーマは「家庭と仕事の両立」です。多くの皆様とのご意見を交換できるのを楽しみにしています。