11月の勉強会の様子
みなさま
11月13日(日)の15時~17時で勉強会を開催しました。今月の勉強会テーマは「自己肯定感のあり方」でした。福祉関係のお仕事をされている方や、記者の方など4名の方が参加してくれました。
今回は、日向ぼっこのスタッフがファシリテーターを担当し、東京都が公開している動画「“ありのまま”の友人たち~それぞれの選択~」の内容を取り上げながら進めました。この動画は、自分に合った生き方を模索する方々への取材をもとに作られた内容でした。
まずは、意見交換を始める前に日向ぼっこが作成した資料を共有させていただき、一般的に言われている「自己肯定感」がどういうものなのかについて述べました。
「自己肯定感」については様々な解釈がある中で、多く見られた意味合いとして、
・ありのままの自分を肯定する感覚
・自分の存在そのものを認める感覚
・心理学用語の“self-esteem” を訳した言葉
(self-esteem:自尊心、自尊感情、自己肯定感、うぬぼれ、自分の能力・価値に自信があること)
などがあることを取り上げました。
その後、動画の内容を踏まえ、皆様がお感じになったことを伺いました。皆様からは、
・他者との関係がキー?他者と比べてどうかという視点に陥りやすい。物差しをどこに置くか。
・身の丈にあった自分を認めた時、自己肯定感を感じる。「ありのまま」を受け入れるのは怖い。
・自己肯定感が低いと思っている。成功している、凄い人でないといけないという気持ちがある。成功していて、包み込んでくれるような人が近くにいないと不安な時期があった。社会的成功に走ってつらい時期があったが、ちょうど今バランスを取れたらいいなと思っている。
・「本当の自分」というのがキーワード。「ありのまま」という言い方が良い。弱み、苦手も分かって受け入れている状態。前は自己肯定感をポジティブな側面と捉えていた。
・マズローの欲求5段階説のピラミッドを考えながら見ていた。承認欲求を超えていくことが難しい。「ありのまま」を認めることに拒否的になってしまう人は多いのでは。「自己」を持っていることが大事。
・何かの問題や起こった事象に伴って、「自己肯定感」について考える。気にせず生きていけるならそれもいいと思う。なぜ自己肯定感について考えたくなったかが重要だと思っている。
などのご感想をいただきました。
次に、「日々の中で自己肯定感について考える時」についてのお考えを伺いました。皆様からは、
・あまり考えたことはないが、お付き合いしている人と歩いていて、柄の悪い人に絡まれた時に心が揺らいだのを思い出した。人が言ったことをどう受け取るか。
・仕事において、子どもの愛着関係の問題で、何ができるかということや、肯定感を育みたいと思ったことがある。とにかく褒めたり、子どもの良いところをチームでとらえる。その過程で「自己肯定感」がよく出てくる。
・仕事でミスをした時にすごく「自己肯定感」が落ちる。元々低いと思う。そのあとどうするかで対処する。肯定感を高めるために、背中を押してくれるワードを言ってくれるタロットカードを持っている。カウンセリングなど、お金を払う手段もある。人を使うと気を使わせてしまうから。
・「自己肯定感」について毎日考える。自分は自信がないことに自信がある。生きていかなきゃいけないし、「まあいっかこれで」と割り切る。
・「自己肯定感」を意識することはない。過去は自信にあふれていたと思うが、気づかされていく。どんどん下がっていったが、後々やれていたんだなと感じることがあった。同じことでも違う風にとらえることがある。心の状態をどう保つか。職場では、子どもたちに強みも弱みも伝えるようにしている。
・生活の中で自分の軸が揺らいだ時に、「自己肯定感」について考える。
などのお話しをいただきました。
また、「自分の軸の立て直し方や、身近な人の肯定感が下がっている時にどうするか」についても、皆様にご意見をお聞きしました。ご意見としては、
・他者には立て直しを求めない。機があると思っているので、助言にならない可能性も考えて助言すらしない。揺らいだとしても、柳のように揺れ幅を持っていれば生きやすくなる。
・自分の軸は、これからも変わっていくのかなと思っている。スキル的なことで言うと、ワクワクして転職したけど、撃沈した。繋がりのある人に接したりして回復する。日常的に落ちすぎないようにしていたいと思って「大丈夫」と言うこと、思うこと、笑顔でいる。
・自分は今軸を作っているところだと思う。自分の特性を知ることが大事。
・昔、営業会社にいたが、全社に結果が配信される場面があった。成績のために、優しいところなど、自分のあるものを活かした。無い袖は振れない。譲れないものが必要だと思う。
・助言というより自分だったらこうすると言う。本当に近い人ならとにかく受容する。
・周りの人にできることがあるとは思えない。受容しかできない。
・アイメッセージもある。本人が発信してくれているだけいい。専門家から、欲求が無い人に対する治療はしづらいと聞いたことがある。
・自分を責めてしまうのも悪いことだけではないかも。成長につながる。
・相手をできる存在として見る。その人はできるというスタンス。シンプルに問いかけたり、こんな風に見えると伝える。自己を振り返るのに有効なことも。
などが出ました。
その他、動画のタイトルにもある、「ありのまま」という言葉に合わせて、居場所運営をする日向ぼっこの視点から、「ありのままでいられる居場所」とはどういうものかという質問をさせていただきました。皆様からは、
・何を言っても大丈夫な場所。心理的安全性。
・勉強会のこの空間がそう。
・何も求めないし、目的もない。喋らなくても、いていい。そういう場所があるからエネルギーを蓄えて生きていける。
・この勉強会の居心地がいい。失敗が許される場所。対話、くだらないお喋りが効率的なTo doに繋がる。各家庭がそういう空間であれば。
・自分一人の空間を思い浮かべた。それに近い場所。
・ただ生きているだけで本来は「ありのまま」なはずだが、それが脅かされると感じる瞬間がある。社会自体が「ありのまま」でいられる場所になれば。
などのご意見をいただきました。
最後に、今日の勉強会の感想を伺いました。皆様からは、
・自分一人でいられる空間は安心できるけど、批判的な自分の声にも向き合うことになる。
・自分も考えている途中。勉強会ではまとまっていなくても喋れる。
・キーワードをいただけた。今日はこの後肯定感が下がることはないと思う。
・視野が広がった。「自己肯定感」は育てるものという意識。その時の全力で生きられればへこむこともない。悪い時も全力で。
というお声をいただきました。
後日、お送りいただいたアンケートでは、
・何気なく使っているワードだった自己肯定感の定義を再確認できました。 高めるためには、まず自己を知るという視点が学びになりました。自分の軸とは何かの問いに対するみなさんの回答も参考にさせていただきます。 安心できる空間で自由なやりとりができる貴重な機会をありがとうございました!
・興味のある&私にとって日々課題のテーマなだけに、皆さんの言葉一つ一つが印象的で、学びになりました。自己肯定感の在り方も、時代や社会情勢とともに変化する側面、人として不変な側面とが混在するのではないか。 最後にそのような思考に辿り着きました。
・他の方のお考えを聴くことで新たな発見を得たり共感することがあり、視野が広がり自分のこれまでを再考する貴重な機会になりました。
などのご回答をいただきました。
今回皆様からお話を伺う中で、「自己肯定感」とはどういうものなのか、どのような場面で「自己肯定感」という感覚が私たちにとって重要な意味を持つのかについて、多様なご意見から考えられるきっかけになったと思います。
次回の勉強会は12月11日(日)15時~17時、テーマは「文化的多様性の交差点と問題点」です。みなさまのご参加をお待ちしております。