NPO法人 日向ぼっこ

NEWS

「第5回FLECフォーラム〜家庭養護の推進と子ども子育て支援施策の包括化に向けて〜」に参加しました

みなさま

 3月10日 (金)〜12日(日)で行われた、全国家庭養護推進ネットワークが主催する第5回FLECフォーラムに参加しました。

 3月11日(土)のメインシンポジウムのテーマは「改正児童福祉法施行に向けた期待と課題〜特に子ども家庭支援を担う人材の育成確保と財政措置のあり方を中心に〜」でした。

 第1部の基調講演(課題提起)は「子ども家庭支援を担う人材育成」ということで、関東学院大学社会学部現代社会学科教授の澁谷昌史さんが講演されました。まず、人材育成を深めるためには働きやすさや働きがいが必要であること、次に専門職と高等教育との関係では、就学教育を増加させ、法科大学院のような専門職大学院や専門職大学を充実させること、最後に保育士や福祉関係職は専門家とみなされにくいということなどについてふれられました。

 第2部ではシンポジストの方の発表がありました。東京都福祉保健局の子供・子育て施策推進担当部⻑である⻄尾寿一さんは、スーパーバイザーが不足していることや、大学にも児童相談所職員をリクルートしていること、現場の経験値を加速させるためのトレーニングセンターについてお話をされました。最後に「子どもの最善の利益のため」ということから、誰もが当事者になる可能性があることや、支える側の幸せ感が重要であると述べられていました。

 中部児童養護施設協議会の会⻑で、NPO STARS 代表理事の太田さんは、児童養護施設における人財確保・育成についてデータを使ってお話されました。まず児童養護施設では臨床域と境界域の子どもを合わせると55.7%と半数以上であることから、生活的支援と治療的支援の両方が必要であり、高機能化が求められるとのことで、職員の専門職としての在り方が問題となるとのことでした。また、3年未満の職員の離職率が36.3%にのぼり、平均勤続年数は7.7年とのことでした。そしてこれからの人財育成を考えるうえで、①組織の体系化、②民主的運営、③エビデンスベースプラクティス、④研修を受けるためのサバティカル、といったことが必要ではないかとのことでした。

 また、特定非営利活動法人おおいた子ども支援ネット理事⻑の矢野さんは、社会的養護だけでなく「すべての若者」を対象にした活動をされている様子や、自分たちだけでできることはないので、どことどうつながっていくかが重要であることなどをお話されました。

 今回フォーラムに参加させていただき、良い学びを得ることができました。今後も貴重な機会から学んでいきたいと思います。

日向ぼっこロゴ