NPO法人 日向ぼっこ

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児童養護施設で生活している中学生の女の子からの作文

 児童養護施設は、保護者のいない児童や虐待や様々な状況により環境上養護を必要とする児童を養護し、あわせて退所者に対する相談その他の自立のための援助を行うことを目的としています。現在、児童養護施設で生活している児童数は全国で約25,000人です。
 私たちが懇意にしていただいている、ある児童養護施設の女の子が、そういった生活の中で感じた自分の気持ちを書いて、日向ぼっこに送ってくださいました。彼女の感じていることをぜひ皆様にご紹介したいと思います。 

「施設のことを知ってもらいたい」   BOOK 

 私は今、施設という所に住んでいます。くわしくは言えませんが、私はそこに住んでいます。皆さんは誰しもが家族と暮らしていると思いましたか?たぶんそれはちがいます。一緒にくらしていない子どももいます。そのことを強く感じた体験が三つあります。
 それは、私が一年生の給食の時、施設の名前で馬鹿にして先生におこられた男の子がいました。その子は深く反省していましたが、そういうことのないように、皆に施設をちゃんと正しく知ってもらいたいと考えました。
 また、私が四年生のころ、友だちと帰っているとその子が「いいなー施設って…。」と言ったのです。それで私は「どうして施設がいいの?」と聞きました。そしたらその子は、こう言いました。「だってさーうちはさーお母さん、いやだし、うざいんだもん。」と、私は心の中で、「お母さんが、いやだ?うざい?そんなのありえない‼」と思いました。
 そして最後に、私は約六年お母さんと、お父さんに会っていません。でもお手紙をこうかんしています。今さっき紹介したように、お母さんがいやだといっていたその子が本当に施設に来たら、その子はとても悲しくなるんじゃないかなと思いました。
 皆さんは、外見だけで判断していますが中身をちゃんと見てください。軽い気持ちでお母さんの悪口や施設の名前で遊んでほしくありません。
 最後に、私が言いたいのは、施設を本当に必要としている親や子どもがいるということです。

 これを読んでくれた大人の皆様へ
 このご時世…新型コロナウイルスが流行している中で、休校や仕事が休みになったりで、ストレスがたまっている中でこれを見ていただき誠にありがとうございます。
 最近は、そのストレスで家庭内暴力があるとニュースで、前に見ました。私が申したいのは未来ある子ども達にそのストレスをあてないでください。家庭の事情とかであまりふみこむのはだめかもしれませんが、どうか、未来のある子ども達にストレスをあてないでください。手遅れになる可能性があるので…大人の皆さん、ご協力お願いします。

令和2年6月12日(金) 中学一年 BOOKより

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