NPO法人 日向ぼっこ

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一般社団法人生活クラブ福祉事業基金2020年度 新型コロナ感染拡大による緊急助成 報告書

 昨年の春から日向ぼっこでは、新型コロナウイルス感染症に起因し、失業やアルバイト等が減少し経済的に困窮している方や、居場所として利用していた施設などが自粛されよりどころをなくし精神的支えを失っている方々へのサポートをして、負担軽減をする取り組みを実施してきました。

 その一つが2020年8月から令和3年1月まで実施した、一般社団法人生活クラブ福祉事業基金の2020年度新型コロナ感染拡大による緊急助成金30万円を採択されたことにより実施できた経済的・精神的サポートです。

 経済的サポートとしては食料や衛生用品を購入し、毎月1回送付することを延35名の方に実施することができた。具体的な食料等の送付実施スケジュールは以下のとおりである。
第1回目は10月11日に10人へ食品とマスクやアルコール除菌液等を送付した。
第2回目は11月6日に2人の方に食品とマスクやアルコール除菌液等を送付した。
第3回目は12月6日に5人の方に食品とマスクやアルコール除菌液等を送付した。
第4回目は1月3日に5人の方に食品とマスクやアルコール除菌液等を送付した。
第5回目は2月19日に5人の方に食品とマスクやアルコール除菌液等を送付した。
第6回目は3月21日に8人の方に食品とマスクやアルコール除菌液等を送付した。
精神的サポートとしては、当団体が実施しているサロンの開催に関する情報、緊急事態宣言下であっても相談は随時受け付けていること、来館以外でもメールやZoomや電話でも相談できること等をホームページやSNS等を通じてお伝えし、食料等の送付の際には必ずカードにコメントを書いて同封し、何かあれば一緒に考えるので連絡してほしいと伝えた。
その結果、荷物が届くたびに何人かの方からメールや電話が来て、お礼とともに相談や生活状況や愚痴などを話してくれた。例えば「先週まで週3あったバイトがなくなり、食料は送ってもらったので何とかしのいでいるが、手持ちのお金がまったくなくなった、どうしよう。」「食べ物があることで、空腹が満たされ、前向きに考えることができた」「これで今月も何とかなるので、来月も生きていけます。」「いいのかわからないけど、送ってもらった食料を自分だけで食べるのは悪いので、学校の友人で食べるものがない人に分けた。」などのお話をお聞きし、困窮ぶりが手に取るように分かった。食料を送付した何人かの方は複数回にわたり電話やメール等で連絡をくださったり、今後について一緒に考えたり、当団体のイベントにも参加してくださるなど、継続的なつながりが持てるようになった。こういった声や相談は連日のように届き、2020年8月から2021年3月までの8か月間で相談をお受けしたのは延100回を超えた。
 新型コロナによる感染拡大が始まって1年が過ぎ、多くの方が経済的困窮を訴え、家賃や光熱費、携帯代といった生活の根幹にかかわる費用について心配せざるを得なくなっており、生活そのものが脅かされる事態となっている。また同時に今年の若年者の自殺の増加にみられるように、先行きの見えなさから精神的疲弊を感じている人が多くなっており、精神的サポートはより重要性を増すと思われ、長期的・継続的とり組みが不可欠であると感じた。

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