NPO法人 日向ぼっこ

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9月勉強会記事

 今月も勉強会を9月19日15時から17時で実施しました。9月のテーマは「家庭と仕事の両立」でした。一般の企業にお勤めの方や乳児院職員の方など3人の方がご参加くださり、様々な立場からの意見を交換することができました。
 まず始めにテレビ東京、日経スペシャル「ガイアの夜明け」で2016年に放送された「働き方が変わる」で紹介された静岡にある女性専用シェアオフィス「コトリスラボ」の活動についての動画を視聴しました。コトリスラボでは、女性たちがそれぞれの得意分野を生かしながら、助け合って仕事をするという取り組みをしていました。
 視聴後、この番組に対して「コトリスラボの取り組みは素晴らしい。収入面で共働きのどちらかであれば良いかもしれないが、現実的にそれだけでの生活は難しい。」といったものや、番組の中に出産直前まで仕事をし、出産直後も病院からビデオで仕事に参加する女性がいたことなどから「育児も仕事もあきらめたくないというところから、それぞれのスキルを活かす取り組みはすばらしい。モデルとなって、行政もかかわる体制に広がるとよいと思う。」「育児の殆どを女性が担うという構造が根本にある。その負担が女性にかかっているが、何かを犠牲にするということは悲しく、両立を目指したい。」といった声が聞かれました。
 これをきっかけに議論が発展し「子育て時期など一定期間どのように働くか自身が選べ、職位も変わらずできる北欧の取り組みは良いと感じた。」「北欧では短時間労働を夫婦で活用している取り組みがある。」「ワークライフバランスはそれぞれの人が置かれた状況に応じて仕事と生活のバランスがとれるようにすること。時間・場所・思考の柔軟性が必要。」といった声や、単身赴任や転勤を実際に経験された方からは「家庭と仕事の両立には、何かが犠牲になることがある。転勤制度や残業は子どもとの時間が取れなくなり、家族に負担がかかる。」「仕事を続ける上での課題は子育てだけでなく介護もある。どのようにして両立しているのか、していけるのか考えていかないといけない課題。」「フレックス制度、短時間正社員制度、ワークシェアリングなどは、どの職種にも当てはまるものでもない。」「転勤などのない限定職員は給料が減る。副業を認めて週3日勤務という会社もあるが所得と関わる。働き方そのものをみんなで考えないといけない。」などの意見が出ました。
 また、働き方改革に関連するものとして「終身雇用制度のメリットデメリットがある。」「働き方改革は中途半端に終わってしまった。生産性を求め残業への縛りでとどまってしまった。」「会社としては残業を減らそうとしているが、残業は多い。」といった意見がありました。
 さらに技術革新が進む中で、今後の仕事に対するものとして、「定年退職の年齢が引き上げられていくが、若い人の足を引っ張らないように、デジタル化などのスキルを身に着けていく必要がある。」「自身にとって働く意義はどこにあるかを考えるべき。」「所得も大切ではあるが、自分の居場所となるところが大切で、つながりのある人とつながりやすい生活の場所を中心にこれから転職も含めて考えていきたい。」「人生が100年近くになっていた今、これからの働き方としては、3~4足のわらじはき、働くことを続けながら学びも続けることもありだと思う。」といった意見がありました。
 その他、「仕事に対して学生の時に思っていたことと、社会人になって現実を知ると違っていた。」「職場で出会った子どもたちと関わり続けたいというやりがいが中心だった。」「仕事をする中で、視野が広がり、社会的養護についても違う視点からみられるようになった。」
といったもの声も出ました。
 勉強会実施後のアンケートでは以下のご感想をいただきました。
「皆さんと意見交換が十分できたので良かったです。」
「ひとつのテーマでも人それぞれ見方や考え方があり、自身の考えを深めたり視野を広げる機会となりました。」
「自分の価値観や軸を考えるきっかけになった。」
 今回もさまざまなお立場の方にご参加いただき、自分とは違った視点からの意見を聞く機会となったのではないでしょうか。本当に人生が長くなり、60歳はまだ働くことが十分可能で、定年し隠居ということではなくなってきましたので、改めて「ワーク」と「ライフ」のバランスをいかにとるのかについて考える必要が出てきているのではないでしょうか。ご参加くださいました皆様、ありがとうございました。
 次回は10月17日になります。ホームページなどでお伝えしましたようにテーマが変わり「個人が生み出す教育格差・対策」となりました。また、多くの皆様にご参加いただき、いろいろな方とご意見を交換できるのを楽しみにしています。

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