NPO法人 日向ぼっこ

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3月の勉強会の様子

 3月20日(日) 15時~17時10分 勉強会

 今月のテーマは「社会的排除と居場所*多様性」でした。

 児童相談所の職員の方、大学で社会学を勉強されている学生の方、大阪で会社員をされている方、普段サロンに来館してくれている方など8名の方が参加してくれました。

 冒頭に2022年から勤務している日向ぼっこスタッフ2名より、今回のテーマである「社会的排除と居場所*多様性」についてPowerPoint資料を用いた発表をさせていただき、それを基に皆様のご意見を伺いながら議論を進めました。

 資料では「社会的排除」・「居場所」・「多様性」について言葉の定義や主観を交えた解釈を述べ、関連性を持つ大きな3つのテーマから意見を出し合う為のポイントを絞りました。

1.「社会的排除」について

 そもそも「排除」とはネガティブな用語なのかという観点や、どういった事が「排除」と言えるのかなどを話しました。

 意見としては、

 ・ネガティブな意図を持った行動だと思っていたが、悪意を持たない行動でも相手が「排除」されたと思う事があるという事に思いあたった。

 ・社会の秩序を守るために「排除」しようという行動が起こる。

 ・カテゴライズが不可欠な社会においては、「排除」は容易に起こりうる。

 などが挙がりました。

2.「居場所」について

 皆様からも「居場所」とはどういうものかについてご意見を頂き、日向ぼっこにとっての「居場所」についても考えを深めていきました。

 出された意見としては、

 ・「居場所」は心の拠り所というイメージ。

 ・「居場所」は継続性のあるもの。

 ・同じ場所でも居づらくなれば「居場所」じゃなくなる。

 ・社会から孤立しない為の「居場所」が必要。

 などがありました。

3.「多様性」について

 「多様性」が謳われるようになってきた現代社会で、「多様性」という言葉がどういう風に使われているか、「多様性」とはどういうものかなどについて考えました。

 参加者のみなさまからは、

 ・「多様性」は認める事であって全てを受け入れることではない。

 ・「多様性」といえども何でも良しとされるわけではなく、根底には人権意識が必要。

 ・多様なものをカテゴライズすると、そこから漏れて排除されてしまうものがある。人間がカテゴライズするのは安心したいからなのかもしれない。

 ・「多様性」を認めないというのも「多様性」の一つ。

 などの意見が出されました。

 後日回答して頂いたアンケートでは、

 ・正解はないことを考え続けることが大切。自身の考え方だけではなく、相手や人や当事者がどのように考えるのか感じているのかということは、今後も忘れずにいきたい。

 ・多様性と言えど、それぞれの持ち味を引き立てるためには対象や枠組みも時として必要なのかな・・・。

 ・社会的排除、居場所、多様性という密接に関わりあう観点から個人の考えを共有することが出来て、人によってそれらの定義が異なることを感じた。

 ・改めて社会とは何か、排除とは何か、など考えるきっかけになった。具体的な出来事などをベースにそれぞれの意見を出し合ってみたいと思った。

 などのご意見を頂きました。

 今回は日向ぼっこが持つ「多様性が尊重される社会を実現したい」という想いに密接に関わるテーマでした。実際の社会は「多様性」が謳われる必要のないほどに多様ですが、やはりそれ自体を伝えていく必要がまだまだあると思っていますし、そのアクションが誰かの「居場所」を作る事に繋がればと思っています。

 次回の勉強会は4月10日(日)15時~17時 テーマは【2022年度の勉強会テーマ募集】になります。

 みなさまのご参加をお待ちしております。

  

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